更新日2023年08月29日
クボタ・ヤンマー・イセキは日本の三大農機具メーカーとして、国内の農業機械業界を長い間けん引し続けています。
農機具の開発・販売だけでなく様々な事業やサービスを提供している3社は、どのような企業なのか知っていますか?
今回は、クボタ・ヤンマー・イセキの実績やトラクターなどを比較して、各社の特徴や違いをご紹介したいと思います。
クボタは、創業から130年以上の歴史を持つ日本を代表する農機具メーカーです。
もともと鋳物メーカーとして創業されたクボタは、農機具を製造する前は、水道管や発動機の製造などを行っていました。
そして、現在の主な事業は、農業機械や建設機械などを製造する機械事業、ダクタイル鉄管などの製造や水インフラ整備などの水・環境事業を中心としています。
国内のみならず世界120カ国以上で、食料・水・環境の分野のあらゆる問題の解決に貢献する事業を展開しています。
ヤンマーは、創業から約110年の歴史を持つ日本の大手農機具メーカーです。
創業当初、発動機の製造・販売からはじまり、後に開発された小型のディーゼルエンジンをきっかけに、世界でその名が知れ渡りました。
現在、中心となる事業は、農業機械、小型船舶、建設機械、エンジンの製造・販売などになります。
農業、漁業、都市のインフラ整備など、様々な分野の事業で私たちの暮らしを支えてくれています。
イセキは、クボタやヤンマーとともに日本の農業機械業界をけん引してきた日本の大手農機具メーカーです。
創業当初、全自動籾摺り機の製造・販売からはじまり、現在まで農機具一筋で日本の農家を支えてきました。
イセキは、これまで業界を驚かせるような製品をいくつも開発してきており、技術力の高さに定評があります。
創業者の「農家を過酷な労働から解放したい」という想いを受け継ぎ、今日まで農家に寄り添った商品開発やサービスを提供してくれています。
クボタ・ヤンマー・イセキの売上高・シェアランキング・実績などを比較してみましょう。
クボタ | ヤンマー | イセキ | |
社名 | 株式会社クボタ | ヤンマーホールディングス株式会社 | 井関農機株式会社 |
創業 | 1890年 | 1912年 | 1926年 |
創業者 | 久保田権四郎 | 山岡 孫吉 | 井関 邦三郎 |
代表取締役社長 | 北尾 裕一 | 山岡 健人 | 冨安 司郎 |
売上高(連結) | 2兆6,788億円(2022年12月期) | 1兆222億円(2023年3月期) | 1,666億円(2022年12月期) |
海外売上比率 | 約78% | 約61% | 約32% |
国内シェア(2021年) | 1位 | 2位 | 3位 |
世界シェア(2021年) | 3位 | 5位 | 9位 |
初のトラクター製造 | T15形(国内初)/1960年 | YM18A/1963年 | TB20型/1965年 |
世界初の製造 | 無人自動運転のコンバイン「DRH1200A-A」/2023年 | 小形横形水冷ディーゼルエンジン「HB形」/1933年 | 自脱型コンバイン「HD50型」/1966年 |
製品のメインカラー | オレンジ/ブルーグリーン | 赤/プレミアムレッド | 青 |
トラクター最高馬力 | 170馬力 | 114馬力 | 280馬力 |
クボタ・ヤンマー・イセキの33馬力のトラクターを比較してみましょう。
クボタ | ヤンマー | イセキ | |
販売型式名 | SL33L | YT333R | NT335 |
区分 | FQMAEWF7 | QHKS7A | SUCY |
仕様 | キャビン | キャビン | キャビン |
ロータリーRL17S | ロータリーEB17 DAS | ロータリーRAN17LS | |
有段変速 | 有段変速 | 有段変速 | |
駆動方式 | 四輪駆動 | 四輪駆動 | 四輪駆動 |
馬力(ps) | 33 | 33 | 33 |
全長(mm) | 3190 | 3210 | 3100 |
全幅(mm) | 1445 | 1490 | 1445 |
全高(mm) | 2185 | 2260 | 2230 |
最低地上高(mm) | 330 | 375 | 360 |
重量(kg) | 1610 | 1770 | 1685 |
出力/回転速度(kW{PS}/rpm)} | 24.3{33}/2600 | 24.3{33}/2800 | 24.3{33}/2600 |
機関型式 | D1803-CR-E4 | 3TNV88C-KRNQ | ヰセキ E3FH |
総排気量(L) | 1.826 | 1.642 | 1.826 |
燃料タンク容量 (L) | 48 | 32 | 40 |
変速段数 | 前進24段・後進16段 | 前進16段・後進16段 | 前進16段・後進16段 |
走行速度(km/h) | 前進0.18~14.65 | 前進0.20~14.3 | 前進0.23~13.6 |
後進0.19~13.13 | 後進0.19~13.8 | 後進0.22~12.8 | |
価格(税込) | 4,538,600円
(2023年4月1日現在) |
5,663,900円
(2023年7月現在) |
5,479,100円
(2023年4月1日現在) |
販売開始 | 2021年1月 | 2018年5月 | 2020年10月 |
各社のトラクターのスペックと価格はこのような感じになりました。
特に大きな差が出たのが価格で、ヤンマーやイセキよりクボタのSL33Lのほうが100万円近く安い結果となりました。
SL33Lは共同購入トラクターとして登場しており、機能面はシンプルにし低価格を実現したモデルになります。燃料タンクは48Lと大容量で、1度の給油で長時間の作業が可能です。
その他には大きな差が見られず、クボタのSL33Lが一番コスパがいいのがわかります。
トラクターの機能は最低限で十分、低コストで抑えたいという人には、ピッタリな一台です。
スマート農業が推進される昨今では、ロボット農機が次々に登場しています。クボタ・ヤンマー・イセキから販売されている最新の農機具を比較してみましょう。
クボタ | ヤンマー | イセキ | |
トラクター | ロボットトラクター | ロボットトラクター | ロボットトラクター |
Agri Robo「MR1000AH」 | 「YT488A」など | TJVシリーズ | |
100馬力 | 88/98/104/113馬力 | 75/98馬力 | |
無人 | 無人 | 無人 | |
田植機 | ロボット田植機 | 直進アシスト田植機 | ロボット田植機 |
Agri Robo「NW8SA」など | YR-DAシリーズ | さなえ「PRJ8 DR型」 | |
8/10条植 | 5/6/7/8条植 | 8条植 | |
無人 | 有人 | 無人 | |
コンバイン | ロボットコンバイン | オートコンバイン | 直進アシストコンバイン |
Agri Robo 「DR6130A」 | YH6115 | HJ6130 | |
6条刈り/130馬力 | 6条刈り/115馬力 | 6条刈り/130馬力 | |
無人 | 有人 | 有人 |
トラクターでは、無人仕様のロボットトラクターが3社とも販売されています。
無人といっても、圃場内やその周辺で有人監視が必要にはなりますが、もう1台のトラクターなどで作業をしながら監視すれば、1人で2台分の作業を同時に行うことが可能になります。
そして、田植機ではクボタとイセキが、コンバインではクボタのみが無人仕様のモデルを販売しています。
このクボタのコンバイン「DR6130A」は、2023年6月に販売が開始されたばかりで、世界で初めて無人自動運転のコンバインを実用化させたものになります。
これより、クボタは農機具の3種の神器とよばれるトラクター、コンバイン、田植機のすべてで、無人自動運転を実用化させた唯一のメーカーとなりました。
クボタ、ヤンマー、イセキは、農作業のあらゆるデータを記録、管理、分析し、効率化を図ることができる営農支援システムを導入しています。
最先端のICTを活用して、対応したトラクターやコンバインなどから収集した情報をスマートフォンやPCで確認することができます。それにより、効率的な作業計画、農薬・施肥の管理、機械の状況やメンテナンス時を通知してくれるなど、様々な機能やサポートを利用することができます。
コストの削減や作物の品質安定・向上などにつながる農業経営に役立つシステムです。
【クボタ】
クボタスマートアグリシステム「KSAS」(ケーサス)
▼特徴
スマートフォンで簡単入力、様々な管理の軽労化、色分けされた圃場マップで作業確認の効率化
クボタの農機具を持っていなくても、KSASは利用可能
初年度が無料で、2年目以降も無料の無料プランがある
▼できることの一例
圃場の管理
作業日誌の記録
作業進捗の確認・管理
作付計画・シミュレーション
センサ付きのコンバインで食味・収量の分析
乾燥調製システムで作業を見える化
MY農機による農機具の稼働情報の確認
GAP取得のサポート
【ヤンマー】
スマートアシスト(SMARTASSIST)
▼特徴
圃場や農作業の管理、計画、記録などが簡単で正確
リアルタイムで異常を察知、農機具の管理・サポートにも強い
スタンダードコースでは、トラクター最大10年間、コンバイン・田植機最大7年間無料
▼できることの一例
作業進捗の確認・管理
効率的な施肥設計
機械の異常を通知・サポート
メンテナンス時期を通知
農機具の盗難の抑止
農機具の稼働情報を見える化
圃場の情報を見える化
収量・作業時間の確認や分析
乾燥機の稼働状況を見える化
【イセキ】
ISEKIアグリサポート
▼特徴
タブレットやスマートフォンに記録したデータを項目ごとに見やすくグラフ化、効率的な作業計画
ISEKIアグリサポートのアプリ・ソフト利用料無料
アグリノートとの連携で生育記録や出荷記録などをさらに細かく管理可能(無料プランあり)
▼できることの一例
作業をスマートフォンなどで記録し、データを管理・分析
効率的な作業計画
肥料・薬剤散布の管理
圃場の作業管理
農機具の情報の管理
点検・メンテナンスのサポート
農機具の盗難防止
収量コンバインで収量・水分計測
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代表取締役 道地竜史
農機具買取モノリーフ代表取締役
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