農機具メーカーイセキの特徴・歴史・トラクターシリーズ一覧

更新日2023年09月05日

農機具メーカーイセキの特徴・歴史・トラクターシリーズ一覧

 

 

イセキの農機具開発の歴史

畑に停車しているイセキの耕運機

 

1926年(大正15年)

イセキの創業者である井関邦三郎(いせき くにさぶろう)は愛媛県で 「井関農具商会」を設立しました。

井関邦三郎は、全自動籾摺り機を製造し、これがイセキの最初の農機具となりました。

 

1936年(昭和11年)

井関邦三郎は、「井関農機株式会社」を設立しました。

 

1939年(昭和14年)

イセキは耕運機の開発を始めます。

翌年の1940年(昭和15年)には、イセキ初の耕運機ロータリ式1号R型」を完成させました。

 

1945年(昭和20年)

当時、松山市に本社と工場があり、松山大空襲によって全焼しましたが、翌年の1946年には松山市八代町に新工場を建設し、生産を再開しました。

 

1961年(昭和36年)

東京証券取引所に株式を上場します。

 

1962年(昭和37年)

イセキは、ドイツの「ポルシェ・ディーゼル社」と業務提携及び販売代理店契約を結び、トラクターの輸入を開始します。

 

1965年(昭和40年)

これまでポルシェ製のトラクターを輸入販売してきたイセキでしたが、自社のトラクター開発を進め始めます

1965年にポルシェ製のトラクターをもとにした、イセキ初の国産トラクターTB20型」を生産販売します。

 

1966年(昭和41年)

イセキは世界初の自脱型コンバインHD50型」の完成を発表しました。

これまで日本では、海外から輸入していた普通型コンバインが販売されていましたが、日本の稲作には不向きな点が多く普及が進みませんでした。

そんな中、イセキは米の収穫に適した「自脱型コンバイン」をいち早く開発・製造しました。

刈り取りや脱穀の時間を大幅に短縮、小型化、軽量化にも成功し、自脱型コンバインHD50型の登場は業界内外で話題となりました。

1967年には量産を開始しましたが、手ごろな価格だったということもあり、注文が殺到し生産が追いつかないほど人気を集めました。

 

1967年(昭和42年)

京都大学トラクタ研究会によって、TB20型トラクターでの富士山登頂を成功させます。

これらは新聞やテレビで取り上げられ、そのエンジン性能や走行性能の高さは全国に知れ渡ることとなりました。

同年、イセキは自社初の田植機P4A型」を試験販売開始します。

 

1971年(昭和46年)

田植機の軽量化や改良の研究が進み、試行錯誤の末、プラスチック製フロートを使用した田植機が誕生しました。

そして、「さなえ」と名付けられた田植機「 PF20型」は、1971年から生産が開始されます。

さなえシリーズは、現在でも50年以上続くイセキを代表する大人気のシリーズとなりました。

同年、ベルギーのブリュッセルに「ヨーロッパヰセキ株式会社」を設立しました。

そして、2000年代に入ってからは中国、インドネシア、タイ、フランスに海外拠点を次々に増やしていきます。

 

1976年(昭和51年)

自脱型コンバインが登場してからわずか10年で、完全自動の無人コンバインフロンティア HD1500」を完成させました。

しかし、こちらはデモンストレーションが行われただけで、販売はされませんでしたが、現在の無人コンバインの先駆けとなった機種となりました。

 

1978年(昭和53年)

イセキは、後方植え乗用田植機PLシリーズ」の製造・販売を開始しました。

後方植え型は業界に先駆けてイセキが初めて開発し、現在の乗用田植機のもととなりました。

 

1987年(昭和62年)

イセキは、ロータリ式植付装置田植機PAシリーズ」を生産、販売を開始しました。

ロータリ式は従来のクランク式に比べ、約2倍のスピードで植付が可能になる画期的なもので、イセキは商品化を成功させました。

1990年には、累計生産台数100万台を達成しました。

 

1999年(平成11年)

イセキの特許機構である「ズームオーガ」を搭載したコンバイン「フロンティアビバ HV321」が誕生しました。

伸縮自在なズームオーガの登場で、コンテナへの籾の排出作業が飛躍的に楽になりました。

 

2016年(平成28年)

イセキは、土壌センサ搭載型可変施肥田植機NPシリーズ」を発表しました。

田植えをしながら、圃場の状態を読み取り、自動で施肥量の調節を行い均一な散布などが可能になりました。

石川県農林総合研究センターとの共同開発により生まれた、業界初の田植機となりました。

 

2018年(平成30年)

イセキは、自動運転を可能にしたロボットトラクターTJV655R」を発表しました。

有人監視下のもと無人作業が可能な「TJV655R」は、他のトラクターに乗ったまま同時に作業が行えます。

作業時間短縮ができるだけでなく、近年の農家減少の問題への手助けとなりました。

 

 

イセキの社名・歴代社長一覧

社長室

 

井関農具商会(1926年~1936年)

▼初代(1926年~1936年)

井関 邦三郎(いせき くにさぶろう)

(創業者)

 

井関農機株式会社(1936年~現在)

▼初代(1936年~1966年)

井関 邦三郎(いせき くにさぶろう)

 

▼2代目(1966年~1970年)

坂本 元雄

 

▼3代目(1970年~1977年)

森 美徳

 

▼4代目(1977年~1988年)

井関 昌孝(いせき まさたか)

(井関邦三郎の三男)

 

▼5代目(1988年~1992年)

水田 栄久(みずた よしひさ)

 

▼6代目(1992年~2001年)

堀江 行而

 

▼7代目(2001年~2007年)

中野 弘之(なかの ひろゆき)

 

▼8代目(2007年~2012年)

蒲生 誠一郎(がもう せいいちろう)

 

▼9代目(2012年~2016年)

木村 典之(きむら のりゆき)

 

▼10代目(2016年~2019年)

木下 栄一郎(きのした えいいちろう)

 

▼11代目(2019年~現在)

冨安 司郎(とみやす しろう)

 

 

イセキについて

イセキのロゴ

 

会社概要

 

社 名 井関農機株式会社  ISEKI&CO.,LTD.
本 社 愛媛県松山市馬木町700番地
本社事務所 東京都荒川区西日暮里5丁目3番14号
創 立 1926 年 8 月(大正 15 年 8 月)
資本金 233 億 4,474 万円(2022年 12 月 31 日現在)
従業員 連結:5,454 名 単体:756 名(2022年 12 月 31 日現在)

参照:井関農機株式会社 会社概要

 

イセキの実績

 

▼海外売上高比率

2013年 15.5% ➡ 2022年 32.4%

 

▼特許分野別登録数

2021年 第2位

 

▼生産者の農業経営サポート(2021年8月~2023年4月現在)

「Amoni」でのオンラインセミナー開催実績 20回

 

▼国や自治体、民間企業との連携(2020年3月~2023年4月現在)

国内における連携協定 9件

 

▼研究機関や大学との共同開発(2022年度)

研究機関 10テーマ

大学 3テーマ

参照:ISEKIレポート2023

 

 

イセキトラクターのシリーズ一覧・年式

代搔きをしているイセキのトラクターTJV755

 

「A」から始まる型式のトラクター

ATシリーズ(2004年~)

ATKシリーズ(2006年~)

 

「N」から始まる型式のトラクター

NTシリーズ(2013年~)

NTAシリーズ(2013年~)

 

「T」から始まる型式のトラクター

Tシリーズ(1980年~)

TAシリーズ(1987年~)

TA-Cシリーズ(2000年~)

TBシリーズ(1965年~)イセキ最初のトラクター

TCシリーズ(1999年~)

TFシリーズ(1991年~)

TGシリーズ(1994年~)

TGSシリーズ(2000年~)

THシリーズ(2000年~)

TJシリーズ(2001年~)

TJVシリーズ(2010年~)

TJWシリーズ(2006年~)

TJXシリーズ(2013年~)

TKシリーズ(1995年~)

TLシリーズ(1982年~)

TMシリーズ(1995年~)

TPCシリーズ(1995年~)

TQシリーズ(2010年~)

TRシリーズ(1996年~)

TSシリーズ(1972年~)

TUシリーズ(1982年~)

TXシリーズ(1976年~)

 

「Z」から始まる型式のトラクター

Z15シリーズ(2015年~)

 

現行のトラクターシリーズ一覧(2023年8月現在)

TQ3シリーズ(2021年~)

Z153シリーズ(2020年~)

TM7シリーズ(2021年~)

RTS5シリーズ(2023年~)

BFシリーズ(2023年~)

NT5シリーズ(2020年~)

TJV5シリーズ(2018年~)

TJX3シリーズ(2018年~)

TJW3シリーズ(2018年~)

BIG-T

TPC3(2001年~)

TA-C(2000年~)

 

 

イセキの売上高・シェアランキング

売上のデータ

 

イセキの売上高

2020年12月期の売上高は1,493億円

国内が1,159億円(約78%)

海外が334億円(約22%)

 

2021年12月期の売上高は1,581億円

国内が1,173億円(約74%)

海外が408億円(約26%)

 

2022年12月期の売上高は1,666億円

国内が1,126億円(約68%)

海外が540億円(約32%)

 

イセキのシェアランキング

▼国内

2021年 3位

 

▼世界

2021年 9位

 

 

イセキの強みや人気の理由

畑に停車しているイセキのトラクター

 

高い技術力

 

イセキは、創業から100年近い農業機械一筋の老舗メーカーです。

これまでに数々の画期的な製品を世に送り出し、国内の農業機械の発展に大きく貢献してきました。

高い技術力によって生み出されたイセキの製品は、作業効率や生産性を高めるものが多く根強い人気があります。

 

低価格

 

他社製品と比較すると、イセキの製品のほうがリーズナブルなシリーズは多く見られます。

また2010年に登場したコンバイン「フロンティア HFC433」では、従来機より100万円近い低価格で販売されました。

良い製品を一人でも多くの方に使用してもらえるようにというイセキの企業努力が感じられます。

 

メンテナンスがしやすい

 

イセキの製品では、工具が不要で整備ができる箇所が多く、メンテナンスのしやすさに定評があります。

長く使用するうえでは、セルフでの点検や整備も大切ですので、手軽に行えるのは非常にありがたい仕様です。

 

サポート力

 

イセキでは、これまで培ってきた知識や経験を活かして、生産者の農業経営のサポートに尽力しています。

また、農機具取扱いのセミナーなどを実施し、イセキの製品に直に触れてもらえることでも安心と信頼を獲得しています。

 

 

イセキの国内の拠点一覧

日本地図

 

主な事業所

本社

愛媛県 1936年(昭和11年)4月に井関農機株式会社を設立 1926年(大正15年)8月に「井関農具商会」創立

本社事務所

東京都 1960年(昭和35年)6月に「東京支社」として設置 1969年(昭和44年)5月に改称

砥部事業所

愛媛県

熊本事業所

熊本県

新潟事業所

新潟県

つくばみらい事業所

茨城県

技術サービス部

茨城県

ISEKIグローバル トレーニングセンター

茨城県 2017年(平成29年)1月に設立

夢ある農業総合研究所

茨城県 2015年(平成27年)10月に設立

茨城センター

茨城県 1996年(平成8年)10月に設置 前身は関東センター

関西事業所〔インプル〕

滋賀県

 

販売会社

(株)ヰセキ北海道

北海道 1994年(平成6年)12月に設立

(株)ヰセキ東北

宮城県 1993年(平成5年)7月に設立

(株)ヰセキ関東甲信越

茨城県 2019年(平成31年)1月 ㈱ヰセキ関東が㈱ヰセキ信越を合併し商号変更

群馬ヰセキ販売(株)

群馬県 1961年(昭和36年)6月に設立

(株)石川商会

千葉県 1936年1月1日に設立

(株)ヰセキ関西中部

愛知県 2019年(平成31年)1月 ㈱ヰセキ東海が㈱ヰセキ関西を合併し商号変更

三重ヰセキ販売(株)

三重県 1978年(昭和53年)1月に設立

奈良ヰセキ販売(株)

奈良県 (昭和28年)5月に創業

(株)ヰセキ中四国

広島県 2020年(令和2年)1月 ㈱ヰセキ中国が㈱ヰセキ四国を合併し商号変更

(株)西岡商会

徳島県 1919年(大正8年)2月に創業 井関農機㈱徳島県総代理店

(株)ヰセキ九州

熊本県 1993年(平成5年)12月に設立

 

国内関連会社

(株)井関松山製造所

愛媛県 2001年(平成13年)4月1日に設立

(株)井関熊本製造所

熊本県 2001年(平成13年)4月1日に設立

(株)井関新潟製造所

新潟県 1961年(昭和36年)12月5日に設立 前身は株式会社新潟井関製作所

(株)井関重信製作所

愛媛県 2012年(平成24年)12月4日に設立

(株)井関南吉田製作所

愛媛県 2022年(令和4年)11月4日に設立

(株) ISEKI アグリ

東京都 1969年(昭和44年)4月に創立 2013年(平成25年)4月に商号変更

(株)井関物流

愛媛県 1974年(昭和49年)6月に設立

(株) ISEKI トータルライフサービス

東京都 1961年(昭和36年)6月8日に設立 2013年(平成25年)4月に商号変更

 

 

 

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この記事を書いた人

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代表取締役 道地竜史
農機具買取モノリーフ代表取締役
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