更新日2023年08月01日
国内のトラクターメーカーといえば、クボタ、ヤンマー、イセキ、三菱マヒンドラ農機が有名ですが、世界にも数多くのトラクターメーカーがあることを皆さんはご存じでしょうか?
今回は、有名な国内・海外のトラクターメーカーの歴史や特徴などを、一覧にしてご紹介していきたいと思います。
出典:クボタ
日本を代表する農機具メーカー「クボタ」は、1890年に鋳物メーカーとして創業されました。
後に、社名は「久保田鉄工株式会社」と変わり、1960年には国産初となる畑作用乗用トラクター「T15形」を発表します。
1970年に販売を開始した小型トラクターの「ブルトラ」シリーズは大ヒットし、当時のクボタの看板商品となりました。
1990年、創業から100周年の節目に、現在の「株式会社クボタ」に社名を変えました。
現在、クボタは日本国内の農機具メーカーの売上高・シェアランキングで1位を獲得していて、世界のランキングでも2021年に3位を獲得しました。
2022年12月期の売上高は2兆6,788億円で、そのうち8割近くが海外の売上高となり、いかにクボタの製品が海外でも評価されているかが見て取れますね。
また、クボタのトラクターは耐久性の高さに定評があり、古いモデルでも頑丈で壊れにくいため長く活躍しています。
クボタ最大の馬力を誇るM7シリーズでは、クボタの最新の技術が組み込まれ、性能・操作性・快適性などはどれもトップクラスの仕様です。
現在、クボタのトラクターは全部で24シリーズ、最小13.5馬力から最大170馬力のトラクターを販売しています。
出典:ヤンマー
「ヤンマー」は、創業者の山岡孫吉が「山岡発動機工作所」を1912年に創業したことから始まります。
1921年に「ヤンマー」を商標登録、1930年には小型のディーゼルエンジンを開発します。
1952年に「ヤンマーディーゼル株式会社」と社名を変更し、2013年に現在の「ヤンマーホールディングス株式会社」となりました。
そしてヤンマーは、1963年に自社初の乗用トラクター「YM12A」を発表しました。
ちなみに、ヤンマーの名の由来は、創業者の「山岡」とトンボの「オニヤンマ」から名づけられています。
トンボ(オニヤンマ)は豊作のシンボルとされていて、そのトンボの羽根がヤンマーのロゴマークのモチーフになっています。
ヤンマーは国内メーカーの農機具シェアランキングでは2位で、世界のランキングでは2021年に5位を獲得しています。
2023年3月期の売上高は1兆222億円で、前年比は17.3%増となり業績を上げています。
ヤンマーはヤンマーディーゼルでお馴染みのディーゼルエンジンの開発に長けていて、ハイパワーで低燃費、4次排ガス規制をクリアしたクリーンなエンジンを搭載し、操作性においても快適なトラクターが揃っています。
また、ヤンマーのトラクターはメインカラーの赤で統一されていて、人気シリーズである「YT3」シリーズは、2016年度のグッドデザイン金賞に選ばれました。
現在、ヤンマーのトラクターは全部で24シリーズ、最小13馬力から最大114馬力のトラクターを販売しています。
出典:イセキ
創立から農機具一筋のメーカー「イセキ」は、1926年、愛媛県に「井関農具商会」を創立しました。
それから10年後の1936年に「井関農機株式会社」を設立し、籾摺り機や自動選別機の製造を始めました。
イセキがトラクターの開発を進めたのは1960年代のことで、当時輸入していたポルシェ製のトラクターを参考にし「TBシリーズ」の製造・販売をしていました。
また、イセキの大ヒット商品の田植機「さなえ」は、1971年に歩行型田植機として誕生してから50年続く人気のシリーズとなりました。
イセキは日本の農機具メーカーのシェアランキングでは3位で、2021年の海外のランキングでは9位に付けています。
2022年12月期の売上高は1,666億円で、北米や欧州などの海外の売上が好調で前年比5.3%増となっています。
イセキのトラクターといえば、遠くからでも一目でわかるブルーのボディが特徴的です。
近年では、中型から大型のトラクターの開発に力をいれていて、「BIG-T7726S」は国内メーカー最高の280馬力のトラクターです。
アグコパワー(AGCO POWER)社の高出力で低燃費なエンジンを搭載し、操作性・静粛性も高く長時間の農作業でも快適なトラクターとなっています。
現在、イセキのトラクターは全部で25シリーズ、最小14馬力から最大280馬力のトラクターを販売しています。
出典:三菱マヒンドラ農機
「三菱マヒンドラ農機」は、1914年に佐藤忠次郎によって「佐藤商会」を創立したことで始まりました。
1945年に社名を「佐藤造機株式会社」に変え、1959年には自社初の製造となるトラクター「YB80」を「サトー」のブランドで発表しました。
その後、1980年に三菱機器販売株式会社と合併し、社名は「三菱農機株式会社」となりました。
そして2015年、インドのマヒンドラ&マヒンドラ社との資本提携を経て、現在の「三菱マヒンドラ農機株式会社」となりました。
三菱マヒンドラ農機は、国内の農機具シェアランキングでは5位、2022年度の売上高は435億円となっています。
GMシリーズのトラクターでは、ハイパワーかつ低燃費でありながら、4次排ガス規制対応の環境に優しいエンジンを採用。
また、ジャイロセンサー「ジャイロMAC」により、車体が傾いても耕うんにムラがなくきれいな仕上がりを実現しています。
そして、GMシリーズを含む「イーグルデザイン」のトラクターは、2020年のグッドデザイン賞に選ばれ、鷹の力強さなどをイメージした洗練されたデザインが高く評価されました。
2021年には、クボタとの業務提携に合意し、相互OEM供給の拡大によりトラクターなどのラインナップを強化しています。
現在、三菱マヒンドラ農機のトラクターは全部で19シリーズ、最小13馬力から最大138.8馬力のトラクターを販売しています。
HONDA/ホンダ
HITACHI/日立
ヒノモト(日ノ本)
サトー(佐藤造機株式会社)
シバウラ(株式会社IHIシバウラ)
スズエ(鈴江農機製作所)
出典:ヤンマー
「ジョンディア(JOHN DEERE)」はアメリカのディア・アンド・カンパニー(Deere & Company)のブランドで、創業は1837年と古く、世界1位のシェア率(2021年)を誇る大手農機具メーカーです。
ジョンディアのトラクターやコンバインなどは、ボディ全体が緑色でホイールが黄色のデザインで統一されているのが特徴的です。
ブランドロゴにもなっている鹿のデザインは、多少の変化はあるものの100年以上前に作られたロゴになります。
大型で高馬力のシリーズが多いため、日本では主に北海道や長野県などの広大な土地で農業を営む農家の方などに使用されています。
「JD-6M」シリーズは発売当初から高い評価がありましたが、モデルチェンジを重ね従来機より視認性が高く小回りも利きやすくなり、さらに農作業しやすいトラクターへと進化してきました。
強いけん引力があり耐久性も高く、メンテナンスもしやすい構造になっていて人気があります。
日本では「ヤンマー」がジョンディアのトラクターの輸入・販売を行っています。
2023年7月現在、トラクターは全部で6シリーズ、90~410馬力のトラクターを販売しています。
1953年、マッセイ・ハリス社とハリス・ファーガソン社の合併を経て「マッセイ ハリス ファーガソン」が設立され、1958年に社名は「マッセイファーガソン(Massey Ferguson)」となりました。
その後、アメリカの農機具メーカーのアグコ(AGCO)に買収され、現在はアグコの農機具ブランドの一つとなっています。
マッセイファーガソンは、トラクターに作業機を付ける際の3点リンクシステムの発明したほか、ファーガソンシステムと呼ばれるけん引力を増加させる画期的なシステムを開発したことで有名です。
マッセイファーガソンのトラクターは、数ある海外メーカーの中でも日本での人気が特に高く、多く流通しています。
大型のハイパワーのトラクターにもかかわらず、ボンネットがスリムなシリーズが多いため視認性が高く、シンプルな設計により操作性が高いのも人気の理由です。
また、日本にも営業所があることで、安心して購入できるのも魅力の一つです。
日本では「エム・エス・ケー農業機械株式会社」がマッセイファーガソンのトラクターの輸入・販売を行っています。
2023年7月現在、トラクターは全部で10シリーズ、55~295馬力のトラクターを販売しています。
「ニューホランド(New Holland)」は、1895年にアメリカのペンシルバニア州ニューホランドで設立されました。
現在のニューホランドは「CNHインダストリアル」のブランドの一つです。
CNHインダストリアルは、2021年の世界の農機具シェアランキングで2位を獲得した大手農機具メーカーです。
トラクターのメインカラーは、日本の農機具メーカーのイセキと同じく青一色。
T7シリーズではFPTインダストリアル製エンジンを使用しており、StageV排ガス基準に適合しています。
環境に優しいだけでなく、高いパワーと効率の良い作動も実現しています。
また、ニューホランド純正の自動操舵システム「インテリステア™」が標準装備の仕様があるため、購入後、最初から長時間の農作業も快適に行えます。
ニューホランドのトラクターは、日本総代理店である「日本ニューホランド株式会社」が輸入・販売を行っています。
日本には49もの営業所があり、アフターサービスの受けやすさは、海外メーカーの中でもトップクラスになります。
2023年7月現在、トラクターは全部で8シリーズ、45馬力から313馬力のトラクターを販売しています。
出典:ITSCLAB FANSHOP(インタートラクターサービス株式会社)
「ケースIH(CASE IH)」の歴史は、1842年、ジェローム・インクリース・ケースがアメリカで脱穀機工場を設立したところから始まります。
1869年にはケース社の最初の蒸気エンジントラクターを製造し、1886年には世界最大の蒸気エンジンメーカーとなりました。
「ケースIH」となったのは1985年のことで、現在では、ニューホランドと同じく「CNHインダストリアル」のブランドの一つとなっています。
マクサム(MAXXUM)シリーズのトラクターは、高生産性、高出力、低燃費を兼ね備えたエンジンを搭載しており、運転時の視認性は高く、静粛性の高いキャビンとなっているため、快適に農作業が行えます。
ケースIHのトラクターの輸入・販売は、日本総代理店である「インタートラクターサービス株式会社」が行っています。
2023年7月現在、トラクターは全部で6シリーズ、90馬力から400馬力のトラクターを販売しています。
出典:Challenger
「チャレンジャー(Challenger)」は、1986年にアメリカのキャタピラー(Caterpillar)によって設立されたブランドです。
キャタピラーといえば、「CAT」のロゴが入ったイエローカラーの建設機械でお馴染みの大手建設機械メーカーです。
しかし、2002年にキャタピラーはチャレンジャーをアグコ(AGCO)に売却したことで、現在ではアグコが所有するブランドの一つとなりました。
キャタピラー社がチャレンジャーを手放して以来、日本には正規代理店はありません。
チャレンジャーは世界初のゴムクローラータイプのトラクターを発売したことでも有名です。
チャレンジャーのトラクターの特徴は、建設機械と同様にボディはイエローカラー、タイヤはフルクローラーのシリーズがほとんどです。
フルクローラーの利点は、あらゆる地形にも対応し、接地面が広いため圃場を踏み固めづらく作物に与える悪い影響を軽減することができます。
出典:Adobe Stock
「フォード(Ford)」は、アメリカの有名な自動車メーカー「フォード・モーター・カンパニー」の子会社が、1907年にトラクターの製造を始めたところから生まれたトラクターブランドです。
当時は「フォードソントラクター」のブランド名でしたが、後に「フォード」に変更されました。
1952年には、北海自動車工業株式会社(現:日本ニューホランド株式会社)が日本総代理店となり、フォードソントラクターの輸入・販売を行っていたことにより、日本国内でも知名度や人気は高いメーカーです。
しかし、1991年にフォードはトラクター部門をフィアットに売却し、1998年にはフォード名義のトラクターの生産を終了しています。
そのため、現在入手可能なのは中古のフォードのトラクターのみとなり、オンライン市場やオークションなどで流通しています。
Allis-Chalmers
BF Avery
Leader Tractor Company
Minneapolis-Moline
Solectrac
Speedex Tractors
Steiger Tractor
「フェント(FENDT)」は1930年にドイツで設立された農機具メーカーです。
現在は、親会社であるアメリカのアグコ(AGCO)のブランドの一つとなっています。
フェントのトラクターは高馬力なシリーズが多く、サイズがひと際大きいのが特徴的です。
「VARIO G7シリーズ」のサイズは全長5.4m、全幅2.9m、全高3.4mと、その大きさに目が行くのも頷けます。
エンジンはハイパワーかつ燃費が良く長寿命。
セルフクリーニングエアフィルターを採用しており、エアフィルターは常にきれいな状態を保ち、フィルター交換の目安は2年毎又は稼働2000時間毎と、メンテナンスが少なく済むように設計されています。
海外のメーカーの場合、アフターサービスに時間がかかることもありますので、非常にありがたいですね。
日本では「エム・エス・ケー農業機械株式会社」がフェントのトラクターの輸入・販売を行っています。
2023年7月現在、トラクターは全部で4シリーズ、120馬力から521馬力のトラクターを販売しています。
「ドイツファール(DEUTZ FAHR)」は、元々「ファール/FAHR」という社名で1938年にトラクターの生産を開始しました。
その後、KHDグループが買収し、1968年にドイツファールは設立されました。
さらに、1995年にはSLH(サーメ・ランボルギーニ・ハリマン)がKHD(クレックナー・フンボルト・ドイツ)からドイツファールを買収し、「SDFグループ(サーメ・ドイツファールグループ)」となりました。
ドイツファールのトラクターといえばグリーンカラーがメインカラーではありますが、9340TTVと7250TTVには黒一色の限定モデル「WARRIOR/ウォーリア」が販売されており、高級感漂う美しいデザインに目を奪われます。
最新技術で開発されたドイツエンジンは、燃費効率が高く環境にも優しいだけでなく、特許を取得した高性能な冷却システムを搭載し、フルオープンが可能でメンテナンスがしやすい設計となっています。
また、乗り心地の良さにも定評があり、シートやハンドルまでもこだわっているため、快適に農作業を行えることでしょう。
日本では「株式会社コーンズ・エージー」がドイツファールのトラクターの輸入・販売を行っています。
2023年7月現在、トラクターは全部で8シリーズ、100馬力から340馬力のトラクターを販売しています。
出典:株式会社光星農機
「クラース(CLAAS)」は1913年オーガスト・クラースによって設立されたドイツの農機具メーカーです。
1930年にはコンバインハーベスターの開発が始まり、1936年にはクラース最初の自脱型コンバインハーベスターを発表しました。
その後、コンバインハーベスターは見事大ヒットし、新たに開発を重ね、収穫のスペシャリストとしてヨーロッパから世界へと名を知らしめました。
現在は、ドイツのハルゼヴィンケルに拠点を置き、2021年の世界の農機具売上シェアランキングで6位となりました。
クラースのトラクター「ARION/アリオン」のシリーズでは、4点支持キャブサスペンションを搭載し、あらゆる方向の振動を吸収することで、快適な農作業を実現しています。
また、クラース製のトラクターからコンバイン、コンバインからトラクターと乗り換えしても、一貫した操作性が得られるように設計されているため、クラース製で統一することで農作業の作業効率と生産性を高めることができます。
日本では「株式会社光星農機」と「有限会社アグリインデックス」がクラースのトラクターの輸入・販売を行っています。
Sauerburger
Schanzlin
BERGmeister
Dexheimer
Doppstadt
Eicher
超高級スポーツカーで知られる「ランボルギーニ(Lamborghini)」は、もともとトラクターの製造・販売をしていました。
創業者であるフェルッチオ・ランボルギーニは、第二次世界大戦後、軍用トラックを民間向けに改造や販売を行っていました。
そして、それを元手にトラクターの開発を始め、1949年に「ランボルギーニ・トラットリーチ SpA」を設立しました。
現在では、ランボルギーニのトラクターは、イタリアのSDFグループ(サーメ・ドイツファールグループ)のトラクターブランドの一つとなっています。
ランボルギーニのトラクターには、スポーツカー同様に猛牛のエンブレムが付いていて、白を基調としたデザインによりスタイリッシュで圧倒的な高級感と存在感が感じられます。
気になる価格は、新車の本体だけで3,000万円以上するものや、オプションを付けると4,000万円以上するものもあり、家が購入できてしまうほどの超高級トラクターとなります。
性能の面ではというと、高い燃焼効率と環境に優しいクリーンな最新型のドイツエンジンを採用しています。
ブレーキペダルを使用せずアクセルペダルの踏み込み具合で走行や停止が可能となる「パワーゼロ機能」を搭載しており、坂道発進の際にも安全に走行することができます。
そして、高級スポーツカーは「乗り心地が悪い」と言われることがありますが、ランボルギーニのトラクターにはその心配は全くありません。
キャビンは人間工学に基づいてデザインされていて、機能ごとに色分けされたコンソールにより直感的な操作が可能になります。
また、中は広々とした空間でクッション性が高いシートが備わっており、長時間に及ぶ農作業にも快適で安心です。
日本では「株式会社コーンズ・エージー」がランボルギーニのトラクターの輸入・販売を行っています。
2023年7月現在、トラクターは全部で3シリーズ、155馬力から250馬力のトラクターを販売しています。
「サーメ(SAME)」は、イタリアで農業用トラクターを製造していたカッサーニ兄弟によって1942年に設立されました。
1973年にはランボルギーニ・トラットーリSpAを買収、1979年にはスイスのハリマンを買収し、社名を「SLH(サーメ・ランボルギーニ・ハリマン)」に変更します。
当時のイタリアでのトラクター生産数は第2位を記録し、世界規模の大手農機具メーカーへと成長しました。
その後、1995年にドイツファールを買収し、現在の「SDFグループ(サーメ・ドイツファールグループ)」となりました。
サーメはSDFグループの1ブランドであり、トラクターは40~120馬力前後のものが多く、日本のメーカーと近いラインナップになっています。
また、イタリアはワインの産地でも有名なことから、ブドウ園・果樹園を営む農家向けの専用のトラクターも製造・販売しています。
出典:LANDINI
イタリアの農機具メーカーの「ランディーニ(Landini)」は、1884年にジョバンニ・ランディーニによって設立されました。
トラクターの製造を開始したのは1925年のことでしたが、同年にジョバンニは亡くなり息子たちが引き継ぎました。
その後、息子たちはイタリア初の本格的な30馬力のトラクターを完成させました。
1959年にはアメリカのマッセイファーガソンに買収されましたが、2002年にイタリアのアルゴ(ARGO)によってランディーニは完全に買収され、現在ではアルゴのブランドの一つとなっています。
ランディーニは専用のアプリとトラクターを連動させることができ、トラクターのリモート診断やデータ分析などをアプリを通じて確認することができます。
また、各種製品やトラクターのパーツの受注もアプリ一つでできたりと、最先端のサービスが充実しています。
出典: VALPADANA
「ヴァルパダーナ(Valpadana)」は、1935年に設立されたイタリアの農機具メーカーで、現在はイタリアのアルゴ(ARGO)のブランドの一つです。
1954年に芝刈り機の製造から始まり、1960年には自社初のトラクターが製造されました。
1995年にアルゴによって買収された後、アルゴのブランドであるランディーニがヴァルパダーナを引き継ぎました。
買収後は生産ラインを拡大し、果樹園やブドウ畑用に特化したトラクターを製造しています。
出典:MCCORMICK
「マコーミック(McCOMICK)」は、イタリアの農機具メーカーであるアルゴ(ARGO)のブランドの一つです。
マコーミックの歴史は古く、1831年にアメリカのサイラス・ホール・マコーミックが、父親が研究していた刈り取り機の設計を引き継いだことから始まります。
その後「マコーミックハーベスティングマシンカンパニー」を設立、1902年には同社と「ディアリングハーバースターカンパニー」と他3社が合併し、当時では大規模なグループとなる「インターナショナルハーベスターカンパニー(IH)」が誕生しました。
1950年代にはフォード、マッセイファーガソン、ジョンディアなどの競争が激しい中、IHは市場を独占していました。
現在の「マコーミック」となったのは、2000年にイタリアのアルゴによって買収されてからになります。
2018年のトラクターオブザイヤーでは、マコーミックの「X6.414 P6-DRIVE」がベストユーティリティに選ばれ、トラクターの性能、快適性、デザインなどで高い評価を得ています。
Antonio Carraro
Arbos
Carraro Agritalia
BCS
Goldoni
出典:JCB
「JCB(J.C.Bamford Excavator)」は、1945年にジョセフ・シリル・バンフォードによって設立されたイギリスに拠点を置く農業機械および建設機械メーカーです。
設立当初は、トレーラーやフロントローダーの製造を手掛け、1953年には世界で初めてバックホーローダーを開発しました。
2019年には、最高速度が時速153.771マイル(247.47km)に到達する、世界最速のトラクターを製造しギネス世界記録にも登録されました。
「Fastrac 8000」シリーズは、281馬力と335馬力のハイパワーなモデルがあり、こちらも最高時速70kmが出る量産トラクターとして世界最速を記録しています。
そんな高速走行を実現したトラクターですが、ステアリング、ブレーキ、サスペンションシステムなどの緻密な設計により、優れた制御性、安全性が実現しています。
Leyland Tractors
David Brown Ltd.
Field Marshall
Muir-Hill
Nuffield Universal
出典:CLAAS
フランスの有名な自動車メーカー「ルノー(RENAULT)」は、1918年に農業機械部門として「ルノーアグリカルチャー(Renault Agriculture)」を設立しました。
ルノーは1932年に自社初のディーゼルエンジンを導入し、1933年にはフランスで初のゴム車輪を採用したトラクターを発表しました。
1938年には、ひと月にトラクターを約40台生産し、フランス最大のトラクターメーカーとなりました。
その後も、フランス国内のトラクター総生産台数の58%を占めるほどの成長を続けていましたが、ルノーは2003年から2008年にかけてルノーアグリカルチャーの株式をドイツの大手メーカーのクラースに売却しました。
そして、クラースのトラクター部門の一部となったルノーブランドのトラクターは2005年までに段階的に廃止され、現在では製造されていません。
Vandel
「ミンスクトラクターワークス(Minsk Tractor Works)」は1946年にベラルーシのミンスクで設立された農業機械メーカーです。
1999年には、CIS諸国(ロシア・モルドバ・アゼルバイジャン・ベラルーシなど)で生産された全トラクターの 57.7%を製造しました。
トラクターのブランド名を国名と同じ「ベラルーシ(BELARUS)」としていて、現在では1万6千人以上の従業員を抱える世界的にも大規模なメーカーの1つです。
小型のトラクターから大型のトラクターまで、幅広いラインナップを取り揃えています。
出典:株式会社中沢機械店
「バルトラ(VALTRA)」は、フィンランドの農機具メーカーで、現在はアメリカのアグコ(AGCO)のブランドの一つです。
バルトラのルーツはフィンランドで設立された国立ライフル工場と国立砲兵工場になります。
1945年の第二次世界大戦後、フィンランド国家が所有していた工場などは統合され「バルメット」という名の新たな組織になりました。
1951年にはバルメットとして最初のトラクターを製造しました。
その後、買収などを経て「バルトラ」と名を変え、2004年にアグコはバルトラを買収しました。
バルトラのトラクターは、日本にはあまり多くは出回ってはいませんが、憧れのトラクターとして日本でも密かな人気があります。
トラクターのボディは黒のイメージが強いですが、様々なカラーを展開していて、特にメタリック系のカラーはスポーツカーのような高級感が感じられます。
日本では、2015年4月より「株式会社中沢機械店」がバルトラの国内正規輸入代理店となり、トラクターの輸入・販売を行っています。
2023年7月現在、トラクターは全部で4シリーズ、75馬力から271馬力のトラクターを販売しています。
出典:Hürlimann
「ハリマン(HÜRLIMANN)」は、1929年にハンス・ハリマンによってスイスで設立されたトラクターメーカーです。
1939年には、世界初となる直接噴射式ディーゼルエンジンを搭載したトラクターを発表しました。
1979年にハリマンはサーメに買収された際、社名がSLH(サーメ・ランボルギーニ・ハリマン)に変わります。
その後、1995年にはSLHにドイツファールも加わり、現在ハリマンはSDFグループ(サーメ・ドイツファールグループ)のブランドの一つとなっています。
「ステアー(STEYR)」は1864年にオーストリアで設立された老舗のトラクターメーカーです。
1996年にケースに買収されて以降、2度の合併を経て、現在はCNHインダストリアルのブランドとなりました。
ステアーの「TERRUS CVT」シリーズでは、ハイパワー、高効率、環境に優しい最高クラスのエンジンを搭載し、運転中でもストレスなく通話が可能なほど静粛性にも優れています。
また、最大24個も備え付けられているLEDで360度を照らすことができ、夜間の作業でも快適に行えます。
特許取得済みのブレーキシステム「S-Brake」により安全性を大きく向上させたトラクターとなっています。
出典:Lindner
「リンドナー(Lindner)」は1946年に、オーストリアのヘルマン・リンドナーによって設立された農機具メーカーです。
1948年からトラクターの製造を開始すると、1953年にはオーストリア初の4輪駆動トラクターを開発し、見事成功を収め現在のリンドナーの礎を築きました。
リンドナーは2015年のオーストリアのトラクター市場では、ステアー、ニューホランドに次いで第3位となっています。
Reform
出典:LS Mtron
「LSエムトロン(LS Mtron)」は2008年に設立された韓国のトラクターメーカーです。
LSエムトロンは、韓国の大企業LGグループから分離独立した「LSグループ」に属しています。
日本のイセキと同じく、青のカラーでトラクターは統一されています。
近年では、北米地域への輸出が好調で世界では人気が高まっています。
出典:daedong
「デドン(daedong)」は1947年に設立され、その2年後の1949年に農業機械の生産を開始しました。
1993年にはアメリカに「kioti USA」が設立され、アメリカではkiotiブランドとしても知られています。
日本製の同等のスペックのトラクターと比べると、かなりリーズナブルな価格で購入できるのが魅力的です。
Tong Yang Moolsan(TYM)
Kukje
Branson
First Tractor
Jiangling
YTO Group
Zoomlion
Jinma
「マヒンドラ(Mahindra Tractors)はインドの自動車メーカー「マヒンドラ&マヒンドラ」のトラクターブランドです。
マヒンドラ&マヒンドラは1945年に設立し、1963年にはマヒンドラ初のトラクターを生産しました。
2015年に日本の三菱農機の株式33%を取得し、三菱農機が「三菱マヒンドラ農機」となったことでもその名は知られています。
マヒンドラは2022年9月にはトラクターの月間販売台数47,100台を達成し、過去最高の販売台数を記録しました。
現在では、世界40か国以上に拠点を置き、販売台数世界最大のトラクターメーカーとして成長を続けています。
Tractors and Farm Equipment(TAFE)
Sonalika
Escorts
Indo Farm
Preet
Captain
順位 | 会社名 | 市場シェア |
1位 | ディア・アンド・カンパニー | 16.1% |
2位 | CNHインダストリアル | 9.4% |
3位 | クボタ | 8.2% |
4位 | アグコ | 7.1% |
5位 | ヤンマー | 4.4% |
6位 | クラース・グループ | 3.5% |
7位 | マヒンドラ&マヒンドラ | 1.6% |
8位 | ファーストトラクター | 1.0% |
9位 | 井関農機 | 0.9% |
10位 | SDF | 0.8% |
11位 | トラクターズ・アンド・ファーム・エクイップメント | 0.6% |
12位 | アルゴ | 0.3% |
参照:ディールラボ 農機・農業機器メーカーの市場シェア・売上高ランキング
2021年に、ジョンディアで知られるディア・アンド・カンパニーが、世界で売上高第1位となりました。
また、ディア・アンド・カンパニーは2018年からも4年連続1位を獲得しており、圧倒的な人気があるのがうかがえます。
そして、日本を代表する農機具メーカーも上位に3社ランクインしています。
日本でのシェアトップのクボタは3位、ヤンマーは5位、井関農機は9位となっていて、世界的にも高く評価されています。
会社名 | ブランド名 |
ディア・アンド・カンパニー(アメリカ) | ジョンディア |
CNHインダストリアル(イギリス) | ケースIH、ニューホランド、ステアーなど |
アグコ(アメリカ) | マッセイファーガソン、フェント、チャレンジャー、バルトラなど |
クラース・グループ(ドイツ) | クラース、ルノー(2015年生産終了) |
マヒンドラ&マヒンドラ(インド) | マヒンドラ |
ファーストトラクター/第一トラクター(中国) | ファーストトラクター |
SDF(ドイツ) | サーメ、ドイツファール、ランボルギーニ、ハリマンなど |
トラクターズ・アンド・ファーム・エクイップメント/TAFE(インド) | TAFE |
アルゴ(イタリア) | ランディーニ、ヴァルパダーナ、マコーミックなど |
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