【2022年】中古トラクターの国別輸出台数ランキング|日本の中古トラクターが海外で人気の理由について解説します。

更新日2023年10月16日

【2022年】中古トラクターの国別輸出台数ランキング|日本の中古トラクターが海外で人気の理由について解説します。

 

中古トラクターの販売先

 

買取業者が買い取ったトラクターは、どこへ販売されるかご存じでしょうか。

その販売先は多岐に渡り、主に以下のように販売されます

 

・店舗で店頭販売

・インターネットで販売

・中古買取業者や中古農機具店に販売

・海外で販売、輸出業者に販売

 

中古トラクターはメーカー、型式、年式、状態などによって、1台1台に適した販売先が異なります。

その中でも、20年以上前に製造された古い中古トラクターは、国内よりも海外の人気や需要が高いため、海外へ向けて販売されることが多い傾向にあります

 

なぜ日本製の古い中古トラクターは海外で人気なのか?

田んぼの中にたたずむ古いトラクター

 

耐久性が高い

海外では、日本製のトラクターは耐久性が高いと評判です。それは新しい年式のトラクターに限った話ではなく古い年式のものも同様です。

実際に日本製の中古トラクターを使用した海外の農家からは、「故障しにくくて丈夫」「小型ながらも馬力がある」などといった声が上がっています。

他国の中古トラクターより割高となることもありますが、それでも日本製の丈夫なトラクターのほうを選ぶ人は多いようです。

 

安く購入できる

海外の新興国では、人口増加による食料不足の問題もあり、農業の効率化や収量アップなどが大きな課題です。

それを解決するには大量のトラクターなどの農機具が必要になりますが、すべて新品を購入していてはコストがかかり過ぎてしまいます

そこで、注目が集まっているのが比較的安価で購入できる中古のトラクターです。

安くて性能も高い日本製の中古トラクターは、農業の機械化が急がれる海外の新興国などで特に需要が高まっています。

 

修理がしやすい

古いトラクターはシンプルな構造をしているため、現地の自動車整備士などでも修理が可能です

故障箇所や修理方法が明確で、海外で壊れたとしても修理できる人が比較的多いところがメリットになります。

一方、新しいトラクターでは、一部コンピュータで制御されている部分もあるため、構造が複雑で専門的な知識がないと修理やメンテナンスがしづらいことがデメリットとなります。

故障の度に、メーカーの技術者をすぐに呼べる環境ではない海外の地域においては、古いトラクターが重宝されています

 

中古トラクターの輸出データ

航海する貨物船

 

中古トラクター国別輸出台数ランキング(2022年)

(単位:台)

順位 累輸出台数 地域
1位 ベトナム 25,009 アジア
2位 ポーランド 4,126 ヨーロッパ
3位 マレーシア 3,733 アジア
4位 リトアニア 3,327 ヨーロッパ
5位 ブルガリア 3,001 ヨーロッパ
6位 ロシア 2,907 ヨーロッパ
7位 タイ 2,887 アジア
8位 オランダ 2,274 ヨーロッパ
9位 フランス 1,735 ヨーロッパ
10位 チリ 1,169 中南米
11位 ハンガリー 939 ヨーロッパ
12位 チェコ 897 ヨーロッパ
13位 ドイツ 857 ヨーロッパ
14位 ポルトガル 788 ヨーロッパ
15位 スロバキア 778 ヨーロッパ
16位 エジプト 707 アフリカ
17位 カンボジア 657 アジア
18位 フィリピン 610 アジア
18位 ウクライナ 610 ヨーロッパ
20位 スペイン 598 ヨーロッパ

参考:一般社団法人 日本農業機械工業会 統計資料 「中古トラクタ国別輸出実績 2022年(令和4年)」

2022年の中古トラクター輸出台数は、2位以下を大きく引き離して「ベトナム」が1位となりました

地域別で見ると、アジアとヨーロッパの国が中古トラクターの主な輸出国となります。

 

上位5カ国の中古トラクター輸出台数の推移(2015-2022年)

上位5カ国の中古トラクター輸出台数の推移(2015-2022年)

参考:一般社団法人 日本農業機械工業会 統計資料 「中古トラクタ国別輸出実績 2015年-2022年」

中古トラクターの過去8年の輸出データを見ても、ベトナムへの輸出台数は圧倒的です

1位のベトナムは、過去8年の中では2015年の27,392台が一番輸出台数が多く、2018年から大きく減少しましたが、2022年には全盛期に近い25,009台を輸出しています。

2位のポーランドでは8年間で2,041台から4,126台となり約2倍、3位のマレーシアでは855台から3,733台となり約4.3倍増加しました。

 

 

ベトナムへの中古トラクターの輸出が多い理由

代かきをしているトラクター

 

ベトナムは、国土面積、人口、一部気候なども日本と近い環境の国です。

主な農作物は米、トウモロコシ、サトウキビ、コーヒーなどが挙げられ、米の生産量では世界5位、輸出量では世界2位の農業大国です。

 

農家の高齢化、労働者のコスト上昇

ベトナムでは、人口の約50%が農業関連従事者で農業が主な産業となっていますが、一方で高齢化の問題を抱えています。

労働力の減少に伴い、賃金が上昇していることから農業コストを削減するべく、農業の機械化が進んでいます

新品の日本製のトラクターもベトナムへ輸出されていますが、2022年の輸出台数はわずか406台。

やはり、導入コストが抑えられる中古トラクターのほうがベトナムでは需要が高いと言えます。

 

修理・改造のしやすさ

古いトラクターには、電子機器などが使用されていないので、シンプルな設計となっていて修理が比較的容易です。

ベトナムでは故障した状態のトラクターでも輸入して、現地で修理を行ってから販売されるケースが多く見られます

そして、時には輸入した農機具を分解し組み合わせ、改造した農機具を販売することもあります

中には、改造によって原型をとどめていないものもありますが、ベトナムの農作業に適した農機具へと生まれ変わって使用されています。

 

日本製のトラクター

ベトナムは、農地面積が小さい農家が多いことから、35馬力以下のトラクターでも十分な性能を発揮できるため、小型~中型のトラクターが好まれる傾向にあります

これは日本で最も生産されている馬力帯のトラクターでもあり、中古の在庫も多く、輸出先としてこの上ない条件となっています。

また、日本製のトラクターは耐久性などの性能を見ても優れているため、選ばれている要因の一つとなっています。

 

 

海外で活躍している国内メーカーの中古トラクター

古いクボタのトラクター

 

クボタ

クボタは、国内シェア第1位と世界シェア第3位を獲得した、世界に誇る日本の大手農機具メーカーです。

クボタのトラクターは、古くから耐久性に優れ故障しにくいと、国内外問わず高い評価を得ています

そのため、海外で流通している日本製のトラクターはクボタが最も多いと言われています。

 

海外で活躍しているクボタの古い年式の中古トラクター

L1シリーズ、Bシリーズ、GLシリーズ、Aシリーズ、Mシリーズなど

 

ヤンマー

ヤンマーは、国内シェア第2位の日本の大手農機具メーカーです。

ヤンマーのトラクターも、クボタと同様に丈夫で壊れにくいと評判で、長く使用できます

古くからエンジンの開発には一目置かれており、ハイパワーで高品質なエンジンを搭載したトラクターは海外でも高い人気があります。

 

海外で活躍しているヤンマーの古い年式の中古トラクター

YMシリーズ、Fシリーズ、AFシリーズ、USシリーズなど

 

イセキ

イセキは、国内シェア第3位の日本の大手農機具メーカーです。

もともと小型トラクターのシリーズを多く製造していて、コンパクトでありながらパワフルかつ高性能なトラクターに定評があります

価格は他社に比べリーズナブルなシリーズが多いこともあり、中古でも手が出しやすく人気があります。

 

海外で活躍しているイセキの古い年式の中古トラクター

TUシリーズ、TAシリーズ、TSシリーズなど

 

三菱マヒンドラ農機(三菱農機)

三菱マヒンドラ農機は、国内シェア第4位の大手農機具メーカーです。

海外に輸出されている中古トラクターの多くは、三菱農機時代に製造されたもので、耐久性や安全性に優れたシリーズが多いのが特徴です

現在は、インドのマヒンドラ&マヒンドラとの協業により三菱マヒンドラ農機と名を変え、クボタとの業務提携もあり、トラクターはさらに進化し続けています。

 

海外で活躍している三菱の古い年式の中古トラクター

MTシリーズ、GOシリーズ、GSシリーズなど

 

 

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