トラクターの馬力の目安・最適なトラクターの選び方

更新日2023年09月21日

トラクターの馬力の目安・最適なトラクターの選び方

 

 

馬力とは?

馬と荷車

 

馬力は、もともとはその名の通り、馬1頭が発揮する仕事率を1馬力としたものが始まりです。どれくらいの力かというと、1秒間に75kgのものを1メートル動かす力を指します。

 

馬力の国際的な単位としてはワット(W)で表記され、1馬力あたりは735.5Wとなります。

(キロワットの表記の場合は、1馬力=0.7355kW)

また、トラクターのカタログで目にする「PS」の表記は、馬力そのままの単位記号として使われていますので、1PS=1馬力となります。ちなみに、PSはドイツ語で「Pferde-Strke」の頭文字を取っていて、馬の力という意味です。

 

例) 出力/回転速度〔kW{PS}/rpm〕 27.9{38}/2600

27.9kW = 38PS = 38馬力

 

馬力はトラクターのパワーの大きさを表すものになりますので、トラクターを選ぶ際には必ずチェックしておかなくてはいけません。

 

 

馬力の大小によるトラクターへの影響

トラクターとロータリー

 

トラクターに取り付けられる作業機の種類

馬力が大きければ大きいほど取り付けられる作業機(アタッチメント)の種類が多くなるので作業の幅が広がります

パワーが強い大きな作業機も取り付けられるので、作業時間の短縮により効率的に農作業を行うことができます

 

そして、一つ注意しなければならないのが、トラクターと作業機をつなぐリンク機構が馬力の大きさによって異なります。

作業機の取り付けのための機構は、「2点リンク」と「3点リンク」に分かれてます。

20馬力未満の小型トラクターや型式が古いトラクターには2点リンクが多く、20馬力以上のトラクターからは3点リンクが使用されています。(16馬力以上から3点リンクを採用したシリーズもある)

様々な作業機を取り付ける可能性があるなら、16馬力以上の「3点リンク」仕様のトラクターを選ぶようにしましょう

 

トラクターのサイズや価格

馬力の大きさはトラクターのサイズや価格にも影響してきます。

馬力が大きくなればなるほど、トラクター自体もそのパワーに耐えられるサイズや重量がなくてはいけません。

そのため、必然と価格も高くなっていきます。

 

▼馬力を目安に計算できるトラクターの値段

馬力 × 10万円 = 新品価格

※すべてに当てはまるものではありません。あくまで目安となります。

 

トラクターの馬力やサイズが大きいことで作業効率は上がるのはもちろんですが、どのような状況においても大きければいいというものでもありません。

日本に多い小規模な農家では、小回りが利く小型のトラクターのほうがむしろ効率が良い場面もあります。

そして、価格も小型トラクターのほうが安いので、小型には小型の良さがあります。

 

 

馬力から見るトラクター選びのポイント

並んだトラクター

 

需要の高い馬力

日本では25馬力~35馬力のトラクターが最も多く使用されています

日本は海外に比べ小規模農家の割合が多いため、この馬力帯のトラクターで十分な性能を発揮しています。

また、クボタやヤンマーなどの日本のトラクターメーカーは、この馬力帯のラインナップが充実しており、人気の高さがうかがえます。

 

土質と馬力

トラクターの馬力を選ぶ際に、参考にしたいのが土質(どしつ)です。

土質とは、その名の通り土の性質のことになります。

その中でも、特に気を付けたいのが粘土質の土質です。

粘土質の場合、粘りのある重い土となるので耕すときに大きなパワーが必要になります。

馬力が小さいトラクターではパワーが足りず正常に動作しなくなり、エンストを起こしてしまうことがあります。

そのため、粘土質の場合なら30馬力以上、粘土質以外の場合なら25馬力以上あるトラクターを選ぶのが良いとされています。

 

作業機に必要な馬力

トラクターは、作業機があってはじめて様々な農作業を行うことができます。

そのため、目的に合った作業機が取り付け可能かどうかが、トラクター選びにおいて重要なことになります。

作業機のカタログなどを確認すると「適応馬力:〇〇~〇〇PS」と表記されていますので、初めてトラクターを購入する人は、使用する作業機にはどれくらいの馬力が必要になるのかを予め把握しておきましょう。

農機具選びの際は「トラクター」→「作業機」ではなく、「作業機」→「トラクター」の順番で検討すると購入時の失敗が少なくなります

 

耕作面積と馬力

馬力の大きさによって農作業の効率化にも影響するため、広い農地になればなるほど高馬力のトラクターが必要になります。

例えば、10haの面積なら30馬力は欲しいところで、さらに作業効率を高めるなら40馬力以上のトラクターがオススメになります。

馬力が上がれば取り付けられるアタッチメントが増え、耕うん幅がより大きいロータリーなどが使用できるので、作業時間の短縮が可能です。

そして、10ha以下の面積や小規模な農家なら、25~35馬力のトラクターがオススメになります。

しかし、耕作面積に対しての推奨の馬力はあくまで目安です。

同じ面積でも、作る作物や作業内容によっても適切な馬力は変わってきますので、作物、土質、作業機に必要な馬力なども考慮して、最終的にトラクターを選ぶと良いでしょう。

 

 

トラクターに必要な馬力がわからないときは?

農家に相談

 

近くの農家さんに相談する

農業を始めたての新規就農者の人は、農業や農機具の事について知識や情報が少ないかと思います。

そのようなときは周りの農家の方に相談してみましょう。

特に、同じ作物を育てている農家さんが近くにいるのなら、ぜひ相談してみてください。

購入した農機具の良かったところ・失敗したことや、実際の農作業についてのリアルな声を聞かせてもらえるのは大変貴重なことです。

教えてもらったことはトラクター選びなどの参考になることでしょう。

 

農機具店に相談する

トラクターを購入する農機具店のスタッフにも相談することは大切です。

状況を説明すれば、必要になる作業機やどのような馬力のトラクターが最適か教えてくれます。

ですが、相手も商売ですので、必要以上の高い馬力のトラクターを勧められる可能性はあるので心得ておいてください。

おすすめの農機具店についても農家さんに相談したときに紹介してもらえると安心ですね。

多くの農家さんとつながりのある評判の良い農機具店を探してみましょう。

 

 

まとめ

 

馬力はトラクター選びの指標となる重要な情報です。

馬力によってトラクターに取り付けられる作業機の種類、サイズ、価格などが変わります。

そして、トラクターに必要な馬力の目安となるのが、耕作面積、作る作物の種類、土質、作業機に必要な適応馬力などになります。

困った時は農業に関わる人々に相談して、適切なトラクターを選べるように参考にさせてもらいましょう。

 

 

 

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この記事を書いた人

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代表取締役 道地竜史
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